これは「down_dir.txt」です。 同じサーバーの下位のディレクトリに置かれています。 以下は無関係の文章です。 表示テストとして載せただけなので内容は気にしないでください。 懐中電灯を持ってこちらに歩いてくる人影、 何か一生懸命探しているようだった。 じきに距離は縮まる。 向こうもこちらに気付いて走り寄ってくる。 案の定、ともちゃんだった。 「バカ!」 私を見つけるなり怒鳴りつける。 「こんな遅くまで何やってんのよ! 心配したんだから!」 逆光で顔はよく見えないが声が震えていた。 「うん…ごめん…」 素直に謝る私。 「もう…帰るよ…!」 そう言うと彼女は感情を隠すように背を向けて歩き出そうとした。 「ともちゃん! あのね…」 私の言葉に立ち止まる。 「今まで、ごめんなさい」 彼女の肩がピクリと動いた。 「せっかく楽しみにしてた修学旅行だったのに、意固地になっちゃって、  私、ともちゃんのこと大切に思ってるからこのまま仲違いしちゃうなんて嫌だって思って、  私、お調子者だし頭もよくないけど、でも、こんなの嫌だし、  小さなけんかは何回もしたけど、こんな口もきかないなんて、ないよ。  色々ひどいこと言っちゃってごめん、許してくれなくていいけど、もう仲直りしよ。  また一緒に、屋上に忍び込んだり、学校抜け出したり……  あと木に登って怒られたりもしたよね、それから……  あれ…何言ってんだろ…」 一気にまくし立ててよく分からなくなる。 「それで、あの…」 「もう、いいよ」 彼女は背を向けたまま、つぶやく様に言った。 「私も、悪かったから……」 恥ずかしがりやの彼女の精一杯の言葉だった。 (『クボマキの冒険2』エピローグより)